2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧
シャープペンシルの黒芯がぽきりと欠けた。 それが合図かというと、ただの偶然でしかない。しかしながら、ほぼ同時のタイミングで3-C教室後方の扉が、それなりに大きな音を立てて開け放たれた。 その場にいるものが皆、いっせいにそちらに顔を向ける。不自然な…
場が一変する。何だ、この幽霊のような形をした何かは? 「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!!お初にお目にかかるはワタシこと自爆霊穂”無実ちゃんだよ!遭うのはこれが始めてかな?さぁさぁさぁさぁ、早く触り返さないとバーンってなっちゃうよ!!」 …
退布高校付属中学校3-Cクラスルーム内にて、南波樹矢は周りを気にしつつ、再びスマートフォンに視線を向ける。 先日より事前告知も何も無くインストールされたアプリケーション【BomBmaP】に今朝方、お知らせと銘打つ情報更新が為されていた。 URLを踏み、…
にしても遅いな、と。 アニメキャラがプリントされた限定品であるプラスチック製の団扇をばさばさと扇ぎながらら、太は一人残されたまま独りごつ。いや、一人と一体であった。彼には現在自爆霊であるボムみがくっ付いている。 「沙羅ちゃんまだかなぁ。緊張…
もうじき日が落ちるかと思いきや、存外まだ外は明るかった。 自宅から出発した後、アプリのマップ機能を頼りに歩を進めてゆく。 つい最近まで寒かったが、ようやく春の兆しが町にみえてきたようだ。少し遅咲きの桜が夕暮れに映える。 他プレイヤーを指す青色…
ルールや規範に縛られないという点において、西乃沙羅はまさしくそれを幼年の頃から体現してきたといえよう。 手のつけられない暴れん坊とまでは行かないまでも、自らの我を通す為には何だってしてきた。力が無ければ何も出来ない。ましてや単純な力や体格で…
なんとはなしに、視界にふわふわと漂う存在があったのは気付いていた。気付いていたのだが、それは余りに露骨過ぎたのでスルーというか、無視を決め込んでいた節がある。 そんな沙羅の思惑を慮る素振りは全く見せず、目の前の少女の見た目をしたナニカはしき…
聖人君主でもなければ善人でもない。自分は紛れもないふしだらな人間だと、切に思う。 つい今しがた98人目の交際者と決別した――実質自分から振った形になるのだが――西乃沙羅は、もう何度目になるか分からない、毎度お馴染の懺悔タイムに没頭していた。 「今…
第1話:女狼は驕豚を喰らう ◆4/21 14:04:23 西乃沙羅 残刻 72:00:00 ◆4/21 14:14:57 西乃沙羅 残刻 71:49:37 ◆4/23 16:34:12 西乃沙羅 残刻 21:30:24 ◆4/23 17:51:31 西乃沙羅 残刻 20:13:05 ◆4/23 18:19:44 厚山太 残刻 00:10:52 第2話:少年は太陽に灼かれ…