自爆霊穂“無実ちゃんと十一人の未来罪人

長編ちっくなweb小説の形をした何か。完結済。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

遡敗歴-バスタードキャリア-序

身を突き刺す極寒の気温と、むせかえるように濃く漂う血の香り。 合わせて眼前で繰り広げられている凄惨な光景が、その獣にとっては、最古で最初の記憶。 この世に生を受けて1か月にも満たないながらも突如として訪れた危機的状況――つまりは弱肉強食の理(こ…

遡敗歴-バスタードキャリア-序前

『吾輩の予想ではてっきりくっきり沙羅っちが最後まで生き残ると踏んでいたんだけれど、蓋を開けてみればビックリ仰天! 一番可能性が低い樹矢っちだったんだから、神霊の類とはいえども未来は得てして不確定で的中させるのが困難なものなんだなぁーって思っ…

死闘録-シンズデリート-Ⅱ

“ナメクジに塩を振りかければ溶けてしまう”という現象。 それは大半の人間が知識として持っているか、あるいは子供時分に実践した経験があるのではないだろうか。 周知の事実とは言えども浸透圧の兼ね合いから、塩が触れることにより「溶ける」のではなく体…

死闘録-シンズデリート-Ⅰ

かくして火蓋が切って落とされた、最後の大罪人こと南波樹矢vsお館様たるパスカルの対決に関して、状況のみを描写するならばそれは酷く単調なものであった。 ほぼ一方的な暴力が展開されるだけの単調なやりとり、である。 主な攻め手は樹矢、対して受け手で…