自爆霊穂“無実ちゃんと十一人の未来罪人

長編ちっくなweb小説の形をした何か。完結済。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

【西乃沙羅 残玉:1 門開通迄残刻:19分】

投げやりな気持ち……というものが果たして自分にあるのかどうか問いただしたところで、結局の所は大罪人である士との一騎打ちを受けた結果の産物に対する、鑑みる必要もない只の事実から来る悔恨の念でしかないのだろう。 皇はそう思った。 吹き飛んだ箇所を…

【北園紅蘭 残玉:0 門開通迄残刻:37分】

番狂わせを演じる、とはややもすれば大層な表現になるのかもしれない。 それでも、尚以てしても、本来ならば持ちえない力――固有能力を全く使わずに決勝戦まで生存した大罪人は、過去の前例には一つも無かった。 敗退がイコールで死に繋がるデスゲームにおい…

【西乃沙羅 残玉:1 門開通迄残刻:43分】

縷々(るる)として沼に沈み続けていた沙羅は、とある回想を夢に見ていた。 時は凡そ2か月前、場は自宅の一室にて。 男女ツーペアの計四人にて交わされていた、第二回戦へ赴く直前のやり取りである。 ―|―|―|―|―|―|―|―|―|―|―|―|―|―|―|―|―|―…

【北園紅蘭 残玉:2 門開通迄残刻:51分】

順風満帆。 その瞬間までは概ねそんな四字熟語の通り、うまくいっていたのだろう。 負ければ即爆死のデスゲームにおいて、彼こと北園紅蘭は戦略上わざと命を落とした後に息を吹き返すという荒業をやってのけたが、事実上の決勝戦においても、未だ生きている…

【南波樹矢 残玉:2 門開通迄残刻:105分】

“欲望の坩堝”即ち固有能力【ジャンキーポット】の使い手である、南波樹矢。 彼が取った行動様式――眼前で繰り広げられている行為は、冥奈の理解の範疇を優に越えていた。 「ぜひゅぅぅぅ…………ぜひゅぅぅぅ…………ん、やっぱりマンガみたいには、うまく行かないも…