自爆霊穂“無実ちゃんと十一人の未来罪人

長編ちっくなweb小説の形をした何か。完結済。

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

死闘録-シンズデリート-Ⅳ

記憶の消失――あるいは、思い出の喪失と言い換えてもよいのかもしれない。 未成年で人生経験に乏しいとはいえ、捉えようによっては掛け替えのない思い出の数々を、死に入替わるごとに無くしていくゆく。 樹矢にとって感慨深いモノから消えていくかと思いきや…

死闘録-シンズデリート-Ⅲ

レベル3、それは他の罪人らが持つ固有能力とは一線を画している其れである。 綿々と続く四百年の間、最も近くにいた村雨ですら超える事の出来なかった境界線。 祖たるパスカルの認識では初め、あらゆる固有能力を制限なく使用出来る の み であったが、違っ…

遡敗歴-バスタードキャリア-急後(堕略現至)

『で――まぁ色々あって火本国に巣くう怪異をひたすら斃して取込み肥大化していったパスカルは、とある切っ掛けを以てして吾輩達の別世界にまで干渉してくる様になって、なんやかんやあって皆でフルボッコにしたは良いけど実はその存在はまだ滅んでなくて、残…

遡敗歴-バスタードキャリア-急

天総角城を脱した後に辿り着いた、要はこの世に生を受けた始まりの地にて。 那津義の寵愛を授かりし獣は絶命した。 親兄弟を食い散らかした大熊の子孫ら――総勢四十二体にも及ぶ天敵からの手厚い歓迎会の結果が、それである。 絶体絶命の状況にありながらも、…