自爆霊穂“無実ちゃんと十一人の未来罪人

長編ちっくなweb小説の形をした何か。完結済。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【7/24 14:14:14 西乃沙羅 残刻 !s:to:p!】

「野垂れ死にしそうなぐらいに暑い――――酷暑、非常に酷暑」 「一番涼しげで奇抜な格好をしているのはお姉様ですけどね。そんなにお肌を露出させて、虫刺されとかは気にならないんですかぁ~?」 「薄河さんの衣装も大概だと思うけどなぁ。というか、∀κ♭4,800…

幕間闇景

殻(から)を突き破ろうとしている刻が近付いている。 光の差さない暗所の奥の辺りで、“それ”は来るべき誕生祭を心待ちにしていた。 耐え忍ぶこと凡そ四百二十五年――永劫にも思える空虚な時間を過ごしてきた過去から現在を帳消しにして、栄えある未来への到…

対象→薄河冥奈の場合【裏】

後(のち)に知ったことだが、あたしの義理の父親はそこまで不真面目な人間では無かったらしい。 ただし、怒ったならばちょっぴり乱暴になるというだけで。 とはいっても酒に酔った勢いでお母さんに暴力を二度も振るったのは事実だったし、何よりそれを娘で…

対象→薄河冥奈の場合【表】

偽りなど介入する隙も暇も無いままに、心の底から苛立ちが募って止まない。 軽里は不機嫌だった。 それは超が付くほどに。仮住まいである家具を手当たり次第破壊する程度には、苛立っていた。 「なんで・・・・・・なんでだッ! どうして女子供の一人も殺せていな…

対象→辺閂の場合【裏】

はがね色の雲を縫うようにして突き抜ける朝日の閃光が目に差したところで、辺閂(あたりかんぬき)は目を覚ました。 初夏ですらない、春真っ只中の5月某日。彼は自宅より遠く離れたC県に訪れていた。新幹線に乗り1時間弱余り。距離で表記するならば大体180…