自爆霊穂“無実ちゃんと十一人の未来罪人

長編ちっくなweb小説の形をした何か。完結済。

【北園紅蘭 -第三回戦前日②-】

はたせるかな、彼は現れた。 ゲームが始まる前も、加えて始まってからも全く接点の無かった彼――北園紅蘭が己の目の前に現れることは、ある種の予定調和というか、そろそろかもしれないという漠然とした予感があったものの、だ。 「こんばんわ北園さん。僕に…

【北園紅蘭 -第三回戦前日①-】

「奇(く)しき存在だったな、“アレ”は」 「一見しただけではあったが存外、人間を超越しているという感想が我自身一番しっくりくるのだよ」 「そうだ……うむ、元よりそのつもり。位置情報は後程ショートメッセージにて送っておこう」 「念を押すが、有志を募…

【東胴回理子 -第三回戦前日②-】

底知れぬ雰囲気――それは他を寄せ付けない圧倒的な個のオーラを醸し出している。 「お初にお目にかかります、哀れな人の仔らよ。皇飯屋(すめらぎめしや)です、以後お見知り置きを」 マーブルとイエローが綯い交ぜになっているボブカット。 身に纏うは中東の…