舐め過ぎていた、と。 塁はそう感じざるを得なかった。 そもそも塁はおよそ4世紀ほど前、地界より火本国へと訪れた過去がある。 当時の火本国天下統一のフィナーレとも言える狗川(くがわ)家と余富(よとみ)家らとの合戦に交わった時――彼自身、銃器という…
決して振り返らず、無我夢中且つ全力で余物樹海を走り続けるも、ついには体力の限界が訪れた為であろうか。 大罪ランク11位。博愛依存症こと南波樹矢は、前のめりに地面へと倒れ込んだ。 寝返りを打ち、大の字よろしく四肢を投げ出し、荒い呼吸を繰り返す。 …
なまじっか自己の知性の高さを過大評価していたからであろうか。 来るべくして来てしまった悲運に見舞われている今現在を予測し得なかった、自らの愚かさを回理子は呪う。 「どうして、どうしてこんなことに……」 命を賭けた最後の勝負を仕掛けようとしている…