「奇(く)しき存在だったな、“アレ”は」 「一見しただけではあったが存外、人間を超越しているという感想が我自身一番しっくりくるのだよ」 「そうだ……うむ、元よりそのつもり。位置情報は後程ショートメッセージにて送っておこう」 「念を押すが、有志を募…
底知れぬ雰囲気――それは他を寄せ付けない圧倒的な個のオーラを醸し出している。 「お初にお目にかかります、哀れな人の仔らよ。皇飯屋(すめらぎめしや)です、以後お見知り置きを」 マーブルとイエローが綯い交ぜになっているボブカット。 身に纏うは中東の…
理非曲直を正す暇もなく、強制的な催眠状態において、生まれてから初めて交際するに至った彼氏と、互いに互いの首を絞めあって絶命した筈――――。 回理子(まりこ)は目を開けた事で、どうやらそれは夢であったようだとひとまず安堵する。 が、既に巫羊液が排…